私の生きる道

薬学系の研究者、薬剤師、弁理士、そしてお母さん。

当業者と医師

特許法では、「当業者」というスーパーマンのような方が登場します。発明の属する技術分野の通常の知識を有する架空の人物です。進歩性等の判断基準になります。

一方で、医療従事者に関する法律のなかには、「医師の指示の下」という言葉が出てくるのですが、こちらは少なくとも実務においては、架空の人物ではなく現実の「医師」だろうと思うのです。

医師は、医療現場において、誰よりも知識を有し、自分の感情に流されず、冷静で正しい判断と実行能力がある人物という前提で、「医師の指示の下」という規定になっているのだと思うけど。。。

実際は、スーパーマンである「当業者」とは違って、現実の「医師」は生身の人間だから、日進月歩の科学技術の知識を全て身に付けることは不可能で、聖人でもなく感情的に行動する。色々とこういう現実を踏まえた法律になって欲しいなと思います。